環境技術評価研究所:トピックス(排ガス中のダイオキシン類の測定方法(JIS K 0311:2008)
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環境技術評価研究所:トピックス
排ガス中のダイオキシン類の測定方法(JIS K 0311:2008)
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1.測定対象
ポリクロロジベンゾ-パラ-ジオキシン |
TeCDDs、OCDD、PCDDs |
ポリクロロジベンゾフラン |
TeCDFs、OCDF、PCDFs |
ダイオキシン様PCB |
DL-PCB |
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2.測定値の表示
ダイオキシン類の種類は多く、それぞれ毒性が異なっているので、最も毒性の強い2,3,7,8-TeCDDを1とした毒性等価計数(TEF)を測定値に乗じて毒性等量(TEQ)に換算する。 |
TEF:Toxicity Equivalent Factor,TEQ:Toxicity Equivalency Quantity
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3.ガス採取装置、採取量
採取装置 |
採取管部、捕集部、吸引ポンプ部、流量測定部 |
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採取管部 |
ほうけい酸ガラス製又は透明石英ガラス製、ノズル内径4mm以上 |
フィルター捕集部 |
ダスト捕集器、シリカ繊維製円形又は円筒形、ダストチューブ(ガラス繊維又はシリカ繊維) |
液体捕集部 |
(Ⅰ)ヘキサン洗浄水、(Ⅱ)ジエチレングリコール |
吸着捕集部 |
ガラス管に吸着剤を40~70gを充てんしたもの。充てん剤はスチレンージビニルベンゼン共重合体 |
ガス採取量 |
試料ガスにおける検出下限が、評価されるべき濃度の1/30以下になるように、必要な最小試料ガス量を算出する。 |
採取方法
内標準物質の添加
(サンプリングスパイク) |
試料ガスの採取方法 |
試料ガスの採取前に吸着捕集部又は液体捕集部にサンプリング用の内標準物質を加える。 |
内標準物質は13C又は37Clで標識したダイオキシン類のうち、適正な1種類以上を加える。一般に1~20ng添加する |
内標準物質の回収率は70~130% |
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4.採取操作
操作 |
通常は等速吸引で採取する。(JISZ8808)
排ガス→採取管→フィルター捕集部(120℃以下)→液体捕集部(Ⅰ)(5~6℃以下)→吸着剤(30℃以下)→液体捕集部(Ⅱ)(5~6℃以下)→ろ過材、捕集液、吸着材を保存 |
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5.各捕集部からの抽出
内標準物質の添加
(クリーンアップスパイク) |
各捕集部からの抽出の前に、回収した各捕集材の試料にクリーンアップスパイク用内標準物質を加える。
内標準物質の回収率は50~120% |
(1)固体からの抽出 |
ろ過材、吸着剤からの抽出 |
(2)液体からの抽出 |
吸収液、洗浄液からの抽出 |
(3)液体捕集部(Ⅱ) |
ジエチレングリコールからの抽出 |
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6.抽出液の調製
調製方法 |
上記の(1)~(3)の抽出液を合わせて、溶媒で一定量にする。
溶媒の種類はヘキサン、トルエン、ジクロロメタン、など |
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7.クリーンアップ操作
操作 |
(1)硫酸処理ーシリカゲルカラムクロマトグラフ操作
(2)多層シリカゲルカラムクロマトグラフ操作 |
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8.その他の精製方法 次の操作又はその組み合わせで、測定用の濃縮液を調製する
操作 |
(1)アルミナカラムクロマトグラフ操作
(2)高速液体クロマトグラフ操作
(3)活性炭カラムクロマトグラフ操作
(4)ジメチルスルホキシド分配処理操作 |
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9.測定用試料の調製 試料の調製とシリンジスパイク用内標準物質の添加
GC/MSによる同定と定量 |
GC/MS計はキャピラリーカラムを用いるGCと分解能10000以上の二重収束形質量分析計を用いるもの |
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検出方法 |
検出方法は、質量校正用標準物質を用いたロックマス方式による選択イオン検出法(SIM)による |
同定と定量 |
質量校正用標準物質を測定試料と同時にイオン源に導き、ダイオキシン類及びコプラナーPCBであることを保持時間及びイオン強度比から確認する。 |
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10.附属書
採取装置 |
試料ガス採取装置3種とその概要が示されている |
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