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環境技術評価研究所:トピックス
ニセ科学とは



環境技術評価研究所
代表  野々村 誠

 私達の住んでいる世界には、まだ分かっていない自然現象が多く存在している。物理的にも化学的にも明らかではないが、それが科学的に解明されたように説明されて商売につなげているものがある。例えば、遠赤外線やマイナスイオンを利用した家電製品や日用雑貨品が開発、販売されてきた。水の分野では、クラスターの小さい水、トルマリンなどの鉱石で処理した水、磁気処理した水などは、おいしく、健康によいなどと宣伝されて販売されている。しかし、これらの物理現象や化学現象、またその効果についてはまだ十分には解明されていない。

 「ニセ科学」とは、自然現象が科学的に解明されていないのにもかかわらず、データの一部を曲解して科学的に装い、科学にあまり詳しくない市民をだまして製品や雑貨を売りつけために利用している。ニセ科学は、「疑似科学」とも呼ばれている。

 確かに私達はまだ多くの自然現象の一部しかわかっていないが、どこまでが本当の科学で、どこからがニセモノなのかを区別することが必要である。

 最近、このような観点から、「ニセ科学」についてのシンポジウムやセミナーが行われているので紹介する。

1.第61回日本物理学会年次大会:「ニセ科学とどう向き合っていくか」、2006年3月
(シンポジウムプログラム)
 1)田崎晴清(学習院大学):科学と「ニセ科学」をめぐる風景
 2)菊池 誠(大阪大学):「ニセ科学」入門
 3)天羽優子(山形大学):「水商売ウォッチイング」から見えたもの
 4)池内 了(早稲田大学):「ニセ科学」の社会的要因

2.第16回日本水環境学会市民セミナー:「身近な水に潜む科学」、2007年8月
(セミナープログラム)
 1)安井 至(国連大学):身近な水にまつわる話題
 2)矢木修身(日本大学):水の浄化にまつわる微生物の働き
 3)堀田国元(機能水研究振興財団):機能水の信頼性―酸性電解水の殺菌効果を中心に
 4)天羽優子(山形大学):水処理情報を読み解く
 5)山田一裕(岩手県立大学):水を題材とした環境教育の実際と問題点―化学的思考力で水環境教育・保全活動を支える

3.ニセ科学に関するホームページ、雑誌など
 1)「ニセ科学」入門 (大阪大学サイバーメディアセンター 菊池 誠)
 2)物理学会でのシンポジウム「『ニセ科学』とどう向き合っていくか?」について
 3)「ニセ科学」を入力して検索すると多くの雑誌や情報が見つかります。



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